自作デカールでギターのオリジナルロゴを作る方法とHowTo(黒地ヘッドは難しいかも)
オリジナリティ溢れるヘッド。
今回は、デカールを自作して、ギターのオリジナルロゴを作る方法とHowToをお届け。ギターの自作ロゴは何度も挑戦していて、上手くいったり、微妙だったり…いくつか経験値を積んできたので、そのあたりについてもシェアしつつ、自作ロゴの作り方についてダダっとおさらいです。
ナチュラルカラーなヘッドは"透明のデカール"で簡単に綺麗に仕上げられますが、黒地のヘッドは"白地のデカール"が必要になるので…綺麗にカットするのが一番大変かも。
自作デカールでギターのオリジナルロゴを作る方法とHowTo
今回自作ロゴを作るギターは1993年製の「Yamaha YGX121D」。使用したデカールは「エーワン 自分で作るデカールシール 白地」。エーワンのデカールには"透明"と"白地"が用意されていますが、僕のように黒地のヘッドに張る場合は白地じゃないと透けてしまうのでご注意を。
ギターの自作ロゴを作るために必要なものは以下の通りです。
それじゃ、早速自作デカールでギターのオリジナルロゴを作る方法を見ていきましょう。
Step1:ギターのロゴを剥がし、必要な場合は塗装する
まずはStep1。ギターの弦やペグ、ストリングリテーナー(弦を押さえるやつ)を外したら、ロゴを紙ヤスリで削って落としていきます。
僕が使った紙ヤスリは240番~1000番まで。少しずつ番手を細かくしていくと綺麗に仕上がります。この時、ヘッドや指版まで削ってしまわないようにマスキングテープで保護しておくと、後で塗装する場合も手間が省けておすすめ。
必要な場合はこのタイミングで塗装。僕のようにラッカースプレーでブラックヘッドに仕上げる場合は以下の手順で塗装します。とはいえ、あくまでも僕の手順なので参考程度に。ギターの塗装に関しては"ichimonziギター工房の記事“がとてつもなく参考になるのでご一読を。ほんとに良い記事。
- 800番くらいでサンディングして素地を整える
- ラッカーで薄めに1回目の塗装
- ニトロセルロースラッカーがおすすめ
- 素地が見えるくらいの薄さでOK
- 3時間乾燥させる
- 1000番で軽めにサンディング
- ラッカーで2回目の塗装
- 1回目で塗料が乗り切っていないところを意識して塗装
- 3時間乾燥
- 1500~2000番で軽めにサンディング
- ラッカーで3回目の塗装
- 液だれしない程度にしっかり塗装する
- 2-3日間乾燥
まずは「ブラック」で塗装し、2-3日乾燥させてから同じ手順で「クリア」で塗装していきますが、クリアは自作ロゴを貼り付けた後に吹いていくため、一旦ここで放置。何度も重ね塗りしていくことになるため、しっかり乾燥させておきましょう。
ラッカー塗装が完全に乾くまで…つまり、完全硬化までは一般的に1週間~10日ほどと言われていますが、厚く塗ればそれだけ乾燥時間は長くなります。今回のように何度もクリア塗装を重ねていく場合は完全硬化まで1か月程かかると思っておくといいかも。
Step2:ヘッドに張りたいロゴをCanvaで作る
ギターのヘッドを塗装したら、乾燥させている間に自作ロゴを作成していきます。僕はデザインツール「Canva」を使って作成しましたが、Canvaでギターの自作ロゴを作る場合は…
- Canvaの右上の「デザインを作成」から「カスタムサイズ」を選択
- ハガキと同じ比率で画像を作成
- エーワンのデカールシールは"ハガキサイズ"なので、同じ比率になるように"1181×1748″で作成した
- ロゴをデザインしたり、画像を持ってきて作成する
- 完成したロゴをPCに保存し、左右反転しておく。
上記のとおり。完成したデザインはPCに保存しておきましょう。この時、プリンターで印刷するときを想定して先に左右反転しておくと後々楽。
ブラックヘッド用のデカールを作成する場合は、輪郭のカットが鬼門になるため、大きめのサイズでロゴを作成しておくのがおすすめです。
Step3:エーワンのデカールシールに自作ロゴを印刷する
自作ロゴが完成したら、エーワンのデカールシールに作成したロゴをインクジェットプリンターで印刷。必ず印刷前に左右反転しておきましょう。プリンターにより、あらかじめ左右反転した状態で印刷される設定もあるので確認をお忘れなく。
Canon製プリンターの場合「光沢写真」設定で印刷すれば綺麗に印刷できるはずです。
プリンターで印刷したデカールシールは、丸1日以上かけてしっかり乾燥させておき、乾燥したら付属のフィルムを張り付け。※乾燥が甘いと張り付けた時に滲んだり、糊が剥がれてしまいます。ドライヤーで乾かした場合は速く乾きますが、この場合も糊が溶けて滲みやすいので…自然乾燥がおすすめ。
デカールシールに張り付けたフィルムは、しっかり転写されるように指で"強め"に押さえてあげると、ヘッドに張り付けた後に"糊"が剥がれてしまった…ってシチュエーションも減らせるかなと。
今回は黒地のヘッドにデカールを張り付けるため、完成したロゴは慎重に輪郭に合わせてカットしておきましょう。多分これが一番神経使う。…大変。満足のいく仕上がりになるまで2-3回は失敗する気持ちで挑むといいかも。
ロゴをカットするためのクラフトカッターは「オルファ アートナイフ」が圧倒的におすすめ。よく切れるし、めっちゃ使いやすくておすすめです。
透明デカールはめっちゃ簡単だけど、黒地には無理
参考までに、もしデカールシール(透明)を黒いヘッドに張り付けてしまった場合はどうなるのか…っていうとこんな感じ。一切馴染まないどころか、ロゴの色も透けてしまって綺麗に仕上がりません。
ナチュラルカラーのヘッドであれば、ロゴの輪郭に沿ってカットしなくてもデカールシール(透明)はものすごく綺麗に仕上げられるので、やたら難易度を上げたくない場合はヘッドには塗装しないほうがいいかも。
Step4:ヘッドにデカールシールを張り付ける
さて、ここまで来たらいよいよ自作デカールの貼り付け。※張り付ける前に透明なフィルムを剥がすのをお忘れなく。
白地デカールの場合は輪郭に"きっちり沿って"カットしたロゴを張り付け、上から水を垂らして数秒待機。指で触ってみて動くようなら、するっと滑らすように剥がせるはずです。
Step5:クリア塗装を重ね塗りして、研磨して完成
自作ロゴを張り付け、5-6時間ほど乾燥させたらクリアの吹き付け。
デカールの厚みとクリアの厚みが同じくらいになるまでひたすらクリアで重ね塗りしていきます。手順としては以下の通り。
- 少し離れたところからクリアを極薄めに塗布する
- 一般的に"砂吹き"と呼ばれるやつ。デカールの上にクリア層ができて、剥がれや滲みを防ぎ、馴染みが良くなります。
- 2-3時間乾燥後、薄めにクリアを吹く
- 800番くらいでサンディング
- 薄めにクリアを吹く
- 2~4を繰り返し
あとは、上記の手順2~4を塗膜とデカールの厚みが同じくらいになるまでひたすら繰り返し。僕は10回くらい重ね塗りしました。
最後の塗装が完了したら、2週間ほどがっつり乾燥させて、1000番~2000番まで順番に研磨。仕上げに「コンパウンド(粗目)」「コンパウンド(細目)」「コンパウンド(鏡面仕上げ)」の順番にかけて、ピカピカになれば完成です。
ちなみに、このロゴは輪郭まで攻めきれていないことがどうしても気になって…結局やり直したので、完璧な仕上がりを求める場合は白いロゴの輪郭に沿ってカットするのがおすすめです。
ラッカースプレーの完全硬化時間は、重ね塗りをするほどに長くなります。完全に硬化していない状態でペグを付けるとペグナットの形に塗装が思い切りへこむので、早く完成させたい気持ちをグッと堪えて、気長に待つのが綺麗に仕上げるコツ。
黒地のヘッドは自作ロゴの難易度高め
さてさて、今回は黒地のヘッドに「エーワンのデカールシール(白地)」を使って自作ロゴを作る方法とHowToについてダダっとおさらいしてきましたが、やっぱり黒地のヘッドは難易度が高め。
エーワンのデカールシールは糊の繊維というか…網目も若干目立つため、完璧な仕上がりは難しいかなと。(現状、簡単に入手できて白地のデカールかつギター用に使いやすいのがエーワンくらいなのが惜しい)
ギターの自作ロゴを作るついでに、指版に「インレイステッカー」を張り付けて、剥がれないようにクリア塗装で仕上げたので、こちらもそのうち記事にする予定です。指版の完全乾燥までにあと2-3週間はかかるので…完成はしばらく先になるかなと。
Yamaha YGX121Dは個人的にめっちゃ好きなギターなのですが、ロゴがアレだったので…めっちゃかっこよく生まれ変わってくれそうな予感。